矯正歯科治療では、歯列器具の選択が重要な決定となってきます。さまざまな矯正器具がありますが、ワイヤー矯正は、もっとも一般的な矯正方法です。
ここでは、ワイヤー矯正について、その特徴と選び方についてくわしく解説します。
歯の矯正方法を迷っている人や、ワイヤー矯正について種類があって選びきれないという人もぜひ参考にしてみてください。
ワイヤー矯正とは
ワイヤー矯正は、歯にブラケットという器具を装着し、ワイヤーを通して歯に力を加えることで、少しずつ歯を動かして歯並びを改善する治療法です。
ワイヤー矯正には装着方法の違いがあり、矯正装置も何種類かあります。
くわしく見ていきましょう。
ワイヤー矯正の仕組み
歯と歯槽骨の間には、クッションのような役割をしている歯根膜という薄い膜があります。
ワイヤー矯正では、この歯根膜に力を加えます。
ワイヤー矯正ではワイヤーの力が歯にかかると、歯根膜が圧縮され、骨を溶かす細胞が活性化して歯が動く方向の骨が溶けます。
一方、反対側の歯根膜は引き伸ばされ、骨を作る細胞が活性化して新しい骨が形成されます。
このプロセスを繰り返すことで、歯は少しずつ移動するのです。
ワイヤー矯正の種類
ワイヤー矯正には、以下の3つの種類があります。
- 表側矯正
- 裏側矯正
- ハーフリンガル矯正
表側矯正
表側矯正は、ワイヤーとブラケットを歯の表側に装着する方法です。適応症例が広く、さまざまな歯並びに対応できます。
また、発音に支障がないのも利点です。ただし、矯正器具が目立ちやすいという欠点があります。
裏側矯正
裏側矯正は、ワイヤーとブラケットを歯の裏側に装着する方法です。歯の裏側に装着するため、矯正器具が目立たないのが特徴です。
ただし、発音に影響が出やすく、表側矯正よりも費用が高くなります。
ハーフリンガル矯正
ハーフリンガル矯正は、表側矯正と裏側矯正を組み合わせた方法です。
上あごの歯は裏側、下あごの歯は表側で治療します。
矯正器具が目立ちにくく、裏側矯正よりも費用が安いのが特徴です。
ただし、表側矯正と比べると費用が高く、適応症例が限られる点に注意が必要です。
ワイヤー矯正の流れ
ワイヤー矯正での歯科矯正が完了となるまで、どのような流れで進み、どのようなことをしていくのかを各ステップごとに費用・期間をあわせて解説します。
ワイヤー矯正の流れ ステップ |
各ステップでの費用と期間の目安 |
---|---|
(1)初期相談 カウンセリング |
所要時間:約30〜1時間 費用:無料 |
(2)検査 | 所要時間:約1時間 費用: 【全顎矯正検査・診断料】:49,500円(税込) 【部分矯正検査・診断料】:6,600円(税込) 保険適応外 |
(3)治療計画の提案・見積もり | 所要時間:約15〜20分 |
(4)矯正治療の開始 | 所要時間:約2時間 費用: メタルワイヤー:990,000円(税込) ホワイトワイヤー(表側の矯正装置):1,100,000円(税込) 舌側矯正+ホワイトワイヤー(上顎が裏側、下顎が表側):1,320,000円(税込) 舌側矯正(裏側の矯正装置):1,485,000円(税込) 部分矯正:220,000円(税込)〜 |
(5)定期的な検診・チェック | 所要時間:約30分 費用:6,600円(税込)〜 |
(6)保定器具(リテーナー)の装着・ 保定期間 | 期間:約1〜2年 費用: 取り外し式(ワイヤータイプ):385,000円(税込)(片顎) 固定式(前歯の裏側にワイヤーにて固定):11,000円(税込)(片顎) |
(1)初期相談・カウンセリング
矯正歯科治療を始めるためには、自身の要望や矯正をしたいという意思表示を踏まえて、歯医者で相談することから始まります。
矯正期間は長くかかるため、このときに先生とのコミュニケーションをしっかりとることが重要です。いくつかの医院を訪ねて、自分が信頼できる医院を見定めることもあります。
自分の矯正期間を快適に過ごすためにも、このステップは非常に大切です。
(2)検査
相談を行い、矯正をすることになった場合も、いきなり装置をつけるのではなく先に口内のくわしい検査を行います。
検査するのは次のような要素です。
- 骨格
- 顔の印象
- 現在の歯並び
- 虫歯の有無
- 歯周病の状態
- 顎の骨など
レントゲンや写真の撮影、先生による視診をしていきます。 現在の口腔内の状態をくわしく先生に知ってもらうことは、矯正歯科治療が失敗するリスクを下げることにつながります。
(3)治療計画の提案・見積もり
検査結果に基づき、使用する矯正装置の種類や治療期間の目安を提案してもらいます。
また、かかる費用の見積もりも出してもらいます。
矯正装置にはワイヤー矯正のほか、透明なマウスピースを装着するマウスピース型矯正などがあり、それぞれ価格が異なります。
(4)術前処置・矯正治療の開始
治療計画と見積もりに同意した場合、矯正治療が始まります。虫歯がある場合は治療を行い、抜歯が必要な場合は抜歯を行ってから矯正を開始します。
口腔内の状態に応じて治療の開始方法は異なります。虫歯治療や抜歯が完了すると、ブラケットやワイヤー装置を装着し「矯正中」の状態になります。
矯正治療の期間は口内の状態によって異なりますが、一般的には半年から3年程度です。
(5)定期的な検診・チェック
装置を装着したら、歯が順調に動いているか確認するために、定期的な検診・チェックが必要です。
器具の調整も行うため、矯正中はこの検診が欠かせません。矯正を始めたばかりの時期は歯が大きく動き、痛みも強いため、週に1度や2週間に1度のペースで通院します。
ある程度安定してくると、1ヶ月や2ヶ月に1度など、比較的少ない回数での検診になります。
(6)保定器具(リテーナー)の装着
矯正治療を続けて歯並びが揃い、装置が外れた後は保定器具を装着して過ごす「保定期間」に入ります。
矯正歯科治療には、揃えた歯並びが元に戻ってしまう「後戻り」のリスクがあるため、この保定期間は非常に重要です。
矯正中の定期的な検診に比べて、保定期間中の通院回数は2〜3ヶ月に1度や半年に1度と少なくなります。
ここまでご紹介した(1)から(6)までが、矯正治療のおおまかな流れです。実際の費用や期間は治療方法によって異なるので、注意しましょう。
ワイヤー矯正のメリット・デメリット
ワイヤー矯正は、多くの人が選択する一般的な矯正方法ですが、メリットもデメリットもあります。それぞれを解説します。
ワイヤー矯正のメリット
ワイヤー矯正には、以下のようなメリットがあります。
- 矯正器具の取外しが不要
- 適応症例が多い
- 細かい調整がしやすい
- 効率的に歯を動かせる
マウスピース型矯正は自分でつけ外しができるため、自己管理が必要です。
しかし、自己管理を怠ると、矯正がうまく進まないことがあります。
一方、ワイヤー矯正は自己管理の負担が少なくなります。
細かい調整がしやすく、効率的に歯を動かせるため適応症例も多く、歯並びが大きく乱れていても治療が可能です。
ワイヤー矯正のデメリット
ワイヤー矯正には、以下のようなデメリットがあります。
- 矯正器具が目立つ
- 食事がしづらい
- 歯磨きがしづらい
- 痛みや違和感が出やすい
- 矯正器具で口腔内を傷つける可能性がある
ワイヤー矯正には矯正器具が目立つ、取り外せないため食事や歯磨きがしづらいというデメリットがあります。
また、痛みが出る可能性が高い点にも注意が必要です。
多くの方が矯正開始から2〜3日で痛みのピークを迎え、1週間程度で徐々に慣れます。
マウスピース型矯正とどちらがいい?
ワイヤー矯正とマウスピース型矯正で、どちらを選ぶべきか迷う人が多くいます。
矯正方法は一長一短で、それぞれの特性や費用、矯正期間などを考慮することが重要です。ここではワイヤー矯正とマウスピース型矯正の違いを比較します。
メリット・デメリットの解説から、費用や矯正期間を比較してよく確認し、自分にあった矯正方法を選びましょう。
ワイヤー矯正とマウスピース型矯正の違い
ワイヤー矯正とマウスピース型矯正の主な違いは以下のとおりです。
見た目の違い
ワイヤー矯正とマウスピース型矯正の大きな違いは見た目です。
ワイヤー矯正は金属の装置が目立つため、治療中の見た目を気にする方には不向きです。
一方、マウスピース型矯正は透明なアライナーを使用するため、目立ちにくくなっています。
ただし、使用するワイヤーの種類やブラケットの材質次第で、目立ちにくくすることは可能です。
また、裏側矯正やハーフリンガル矯正などの矯正方法も、見た目への影響を少なくします。
歯磨きなどケアのしやすさの違い
ワイヤー矯正は金属の矯正装置があるため、歯磨きに工夫が必要です。
食べかすが装置に残りやすく、丁寧に磨くために歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやタフトブラシも使用する必要があります。
一方、マウスピース型矯正はアライナーの脱着が可能で、通常の歯磨きができます。
食事の注意点
ワイヤー矯正は食べ物が装置に付着したり、外れたりするリスクがあります。
ガムやキャラメル、お餅、硬いパンやスルメイカなどを食べるときには注意が必要です。
一方、マウスピース型矯正は食事中にアライナーを取り外せるため、通常通りの食事が楽しめます。
ただし、アライナーを長時間外していると矯正の効果が出るまでに時間がかかったり、矯正に失敗したりといったリスクが生じます。
外食や会食のときには装着時間が短くならないように注意が必要です。
矯正の期間の違い
矯正期間は歯並びの状態によって異なり、数ヶ月から2年以上かかることがあります。
一般的にワイヤー矯正の方が早く終わる可能性が高い傾向があります。
これは、ワイヤー矯正は装置をつけたままにするため常に矯正の力が働いていること、そしてワイヤー矯正の方がマウスピース型矯正よりも強い力で歯を動かせることが理由です。
矯正中の痛み
痛みの感じ方は人それぞれですが、一般的にマウスピース型矯正の方が痛みは少ない傾向にあります。
ワイヤー矯正は強い力で歯を動かすのに対し、マウスピース型矯正はプラスチックの弾力を利用した弱い力で少しずつ歯を動かすためです。
矯正治療を開始した直後が最も痛みを感じやすく、徐々に痛みは和らいでいきます。
日常生活での自己管理の違い
矯正治療中は、ワイヤー矯正もマウスピース型矯正も自己管理が必要です。
マウスピース型矯正では、アライナーの脱着や管理を自身で行う必要があります。アライナーは1日に20時間以上の装着が必要で、破損や紛失すると矯正が進まず、製作に追加費用や時間がかかります。
自己管理がしっかりできることが前提です。
一方、ワイヤー矯正は装置の脱着が不要で、自己管理の負担が少ないです。
矯正器具が固定されているため、患者自身が装置を取り扱う必要がありません。
また、定期的な通院で専門家が調整を行うため、装置の状態を常に確認できるという安心感があります。
装置が常に装着されているため、24時間継続的に矯正力が働き、効果的に歯を動かすことができます。
ワイヤー矯正とマウスピース型矯正を比較
ワイヤー矯正とマウスピース型矯正について治療時の比較ポイントを表で一覧にしました。
歯科医師と相談して自分の希望や歯の症状にあった矯正方法を採用するときの参考にしてください。
治療方法 | ワイヤー矯正 | マウスピース型矯正 |
---|---|---|
見た目 | 目立つ | 目立ちにくい |
費用 | 1,120,000〜1,600,000円 | 1,300,000〜14,000,000円 |
治療期間 | 1〜3年 | 2〜3年 |
通院頻度 | 1ヶ月に1回 | 1〜2か月に1回 |
痛み | ある | 少ない |
虫歯や歯周病のリスク | 高い | 低い |
コンビネーション矯正という選択肢も
コンビネーション矯正の特徴は、裏側矯正とマウスピース型矯正のメリットを組み合わせることで、デメリットを補う点にあります。
これにより、治療期間を短縮し、患者の負担を軽減する効果があります。
治療の前半では裏側矯正の特徴を活かして歯を効率的に動かし、早期に理想的な歯並びを目指します。
その後、治療プログラムの約2/3、期間にして半年〜1年程度で、マウスピース型矯正に切り替えます。
大きな動きが必要な部分(例えば、重度の歯の乱れやかみ合わせの改善、抜歯後のスペースの調整など)を裏側矯正で行い、その後の微調整や整列はマウスピース型矯正で行います。
矯正器具の種類
ワイヤー矯正には、材質やカラーが異なる以下の種類の器具があります。
- メタルワイヤー
- ホワイトワイヤー(表側の矯正装置)
それぞれの矯正器具や費用について解説します。
メタルワイヤー
メタルワイヤーは、もっとも一般的な金属の矯正器具です。
金属製なので目立ちやすいですが、耐久性が高く、壊れにくいのがメリットです。
また、他のワイヤー矯正に比べて価格が安く治療できます。
ハイブリッドブラケット
ハイブリッドブラケットは、プラスチックとセラミックで作られたブラケットです。
強度が高く、目立ちにくいという特徴があります。
プラスチックブラケット
プラスチックブラケットは、透明で目立ちにくいという特徴があります。
しかし、メタルブラケットよりも耐久性が低く、着色しやすい、矯正期間が長くなるなどのデメリットがあります。
治療費は60〜90万円ほどです。
ジルコニアブラケット
ジルコニアは、人工ダイヤモンドとも呼ばれる素材で、白色で表面が滑らかなのが特徴です。
汚れが付きにくく、変色にも強いため、矯正器具を清潔に保ちやすいというメリットがあります。また、ワイヤーとの摩擦が少なく、矯正中の痛みを軽減することができます。
ただし、治療費は65〜100万円と高額になりやすい点には注意が必要です。
セラミックブラケット
セラミックブラケットは自然な歯の色に近い白色をしており、目立ちにくい矯正器具です。
汚れや変色にも強いという特徴がありますが、メタルブラケットに比べて強度がやや劣ります。
費用は65〜100万円ほどで、ジルコニアブラケットと同様に高額です。
セルフライゲーションブラケット
セルフライゲーションブラケットは、ワイヤーを固定するためのクリップ構造を持つブラケットです。
一般的なブラケットが針金やゴムでワイヤーを固定するのに対し、これらを使用しないため摩擦が少なく、効率的に歯に力を加えられます。
治療費は70〜90万円程度です。
ホワイトワイヤー(表側の矯正装置)
ホワイトワイヤーは、白色で目立ちにくいワイヤーです。
銀色のワイヤーを白く塗装したものと、ロジウムという白い金属でコーティングしたものがあります。
ワイヤー矯正中のケア方法
ワイヤー矯正中の歯磨き
ワイヤー矯正中は、虫歯や歯周病を予防するために歯磨きが非常に重要です。
矯正装具があるため、歯磨きは難しくなりますが、歯科医院での指導に従い、正しい方法で丁寧にケアしましょう。
ワイヤー矯正中の歯磨きで気をつけたいポイントは以下のとおりです。
- ワイヤーの上部と下部
- ブラケットの周り
- ワイヤーの下
- 歯と歯肉の境目
- 前歯の裏
- 磨きにくい部分は小さい歯ブラシを
気をつけるポイント | 磨き方のコツ |
---|---|
ワイヤーの上部と下部 | ワイヤーの上部と下部を磨く際には、歯ブラシをワイヤーに沿って斜め45度に傾け、毛先が細部まで届くように磨きます。 通常よりも食べ物や歯垢が溜まりやすいため、1本ずつ丁寧に磨くことが重要です。 |
ブラケットの周り | ブラケットの周りは、特に汚れが付着しやすい場所です。ワイヤーの上部と下部と同じように、歯ブラシを斜め45度に傾けて磨きます。 さらに、斜め上や斜め下などに角度を変えて磨くと、汚れを落としやすくなります。 |
ワイヤーの下 | ワイヤーの下は矯正器具が邪魔で磨きづらい場所ですが、歯ブラシを縦に向けたり、毛先をワイヤーの下に少しだけ通したりすると磨きやすくなります。 |
歯と歯肉の境目 | 虫歯や歯周病を防ぐために矯正器具の周りだけでなく、歯と歯肉の間も毛先を入れて優しく磨くことが重要です。 |
前歯の裏 | 前歯の裏を磨く際は、歯ブラシを縦にむけて、歯ブラシのかかとを使って汚れをかき出すように磨きます。 歯と歯ぐきの間もしっかりと磨くことが大切です。 |
磨きにくい部分は小さい歯ブラシを | タフトブラシというヘッドが小さい歯ブラシを使用すると、細かな部分が磨きやすくなります。 歯間ブラシやデンタルフロスも併用することで、細部の汚れを効果的に落とせます。ワイヤーの下や矯正装置の周りの清掃も効率的に行えます。 |
このようにさまざまな補助用具を使用することで、手間と時間はかかりますが、虫歯や歯周病の予防効果を高めることができます。ぜひ継続してください。
矯正中に食べられないもの
ワイヤー矯正を検討しているとき、「矯正中に食べられないもの」や「食事で気をつけること」が気になる方も多いでしょう。
矯正中に絶対に食べてはいけないものはありませんが、避けた方が良い食べ物があります。
特に、ワイヤーやブラケットがズレたり外れたりするリスクがあるため、注意が必要です。
矯正器具が外れる可能性があるもの
ワイヤー矯正や裏側矯正では、基本的に1ヶ月に一度の頻度で装置のワイヤーを交換します。
何らかの原因でワイヤーやブラケットが外れると、動いた歯が元に戻ったり、予期せぬ方向に動いたりする可能性があります。
特に以下のような歯にくっつきやすい食べ物には注意し、できる限り避けましょう。
- お餅
- お団子
- チューイングガム
- キャラメル
- 水飴
- ヌガー
- その他の粘着性のある食べ物
矯正器具に絡まる可能性があるもの
取り外しのできない矯正装置のデメリットとして、食べ物が装置に絡まりやすいことが挙げられます。
装置に食べ物が絡まると不快なだけでなく、虫歯や歯周病の原因になるため、矯正期間中は特に念入りに歯を磨きましょう。
歯ブラシだけでなくタフトブラシ(歯間ブラシ)やフロスも併用すると、隅々まできれいにできます。
以下のような繊維質の強い食品や細長い食べ物には、特に注意してください。
- ニラ、モヤシ、ネギなどの繊維質の野菜類
- グレープフルーツなどの繊維質の果物
- 肉類(特に筋の多い肉や骨付き肉)
- 麺類(特に細い麺)
- スルメイカなどのイカやエビ
- 貝類
- その他の繊維質や細長い食べ物
歯の隙間に詰まりやすいもの
矯正中に歯が動くことで、一時的に歯と歯の隙間が広がり、普段は気にならない食べ物が詰まりやすくなります。
詰まった食べ物を取る際には、歯ぐきを傷つけないよう注意しましょう。
応急処置として詰まった食べ物を取り除いた後は、しっかりと歯を磨くことが大切です。
以下のような食べ物は、噛み砕いたときに歯と歯や装具の隙間に詰まりやすいので注意が必要です。
- お米
- パン
- 麺類(パスタ、うどん、太麺など)
- クッキー、ビスケット
- 野菜類
- ポテトチップス
- その他の歯に詰まりやすい食べ物
歯ごたえのある固いもの
矯正中に歯が動くことで痛みが出ることがあります。
この痛みがある期間は、以下のような固い食べ物や歯ごたえのある食べ物を避け、痛みが落ち着くまでは柔らかい食べ物を選びましょう。
- お煎餅
- スルメイカ、エイヒレ
- リンゴ
- フランスパンなどのハード系のパン
- 固いアイス
- きゅうりなどの生野菜
- その他の歯ごたえがあったり食べにくいもの
着色の可能性があるもの
色の濃い食べ物や飲み物は、矯正装置に着色することがあります。
基本的に着色は歯ブラシでは落とせません。
取り外しのできないワイヤー矯正や裏側矯正中は、以下のような着色しやすい食べ物や飲み物を避けるか、装置を交換する直前に食べるようにしましょう。
- 赤ワイン
- カレー
- コーヒー
- 紅茶
- トマトソース
- キムチやコチュジャン
- ブルーベリーやクランベリーなどのベリー系の果物
- その他の色の濃い食べ物や飲み物
矯正中に痛みがある場合
ワイヤー矯正は、歯に強い圧力がかかり、金属が内側の粘膜や舌に触れて痛みを感じることがあります。ここからは痛みが出た場合の対処法について説明します。
以下の方法を試しても痛みが改善されない場合は、早めに歯科医師に相談してください。
ワイヤーの圧力を調整してもらう
ワイヤーがきつく締め付けられていると、歯への圧力が増加し、痛みが強くなることがあります。
装着後の最初の1週間は特に強い痛みが生じやすいですが、通常は時間が経つと軽減します。
痛みがひどくて日常生活に支障をきたす場合は、遠慮せずに歯科医師に相談し、ワイヤーの圧力を調整してもらいましょう。
鎮痛剤を服用する
歯に圧力がかかると、周囲の骨が吸収と再生を繰り返し、炎症が生じます。耐えられない痛みが続く場合は、鎮痛剤を使用することが有効です。
ただし、市販の痛み止めを頻繁に服用すると、歯周組織の炎症が抑えられ、歯の動きが鈍くなることがあります。
鎮痛剤を使う際は、医院で処方されたものを使用するか、市販のものを使用する場合は歯科医師に相談してください。
矯正用ワックスを使う
ワイヤー矯正装置が頬や舌に触れて痛みを感じる場合は、歯科医院で販売されている矯正用ワックスを使うのが効果的です。
矯正用ワックスは、適量を丸めて痛みを感じる部分の装置に優しく押しつけます。
ただし、食事や歯磨きの際に簡単に取れるため、定期的に交換が必要です。
患部を冷やす
歯の動きによる痛みがある場合は、患部を冷やすことが効果的です。保冷剤や氷を薄い布で包んで、痛む部位に当てて冷やしましょう。
お風呂上がりや寝る前など、体が温まると痛みが増すことがあるため、冷やすと楽になります。
ただし、頻繁に冷やしすぎると矯正力が弱まることがあるため、長時間の冷却は避けましょう。
痛みが続く場合は、歯科医師に相談してください。
痛みが続く場合は無理せず医師に相談する
ワイヤー矯正中に痛みが続く場合は、歯科医師に相談しましょう。
さまざまな対処法を試しても痛みが改善されない場合や、耐えられないほどの痛みを感じる場合は、専門の歯科医師のアドバイスや処置が必要です。
自己判断に頼らず、歯科医師に相談して適切な対策をとることが重要です。
まとめ
ワイヤー矯正について、ワイヤー矯正の種類やメリット・デメリットについて解説してきました。
以下のようなタイプの人は、ワイヤー矯正に向いていると言えるでしょう。
- 顎などの骨格が歪んでいる
- 歯並びが複雑に大きく乱れている
- 複数以上の抜歯が必要
- 高額になる症状
- 見た目はあまり気にならない
- 装着を自分で管理するのが面倒
ワイヤー矯正の最大のメリットは、あらゆる歯並びや症例に対応できる点です。
ちょっとした歯並びはもちろん、複雑な乱れやマウスピース型矯正では難しいとされる症状にも対応できます。治療中には装着したブラケットを外す必要がなく、破損することもほとんどありません。
治療の開始後は、定期的にクリニックで装置を調整するだけなので、手間が少なく管理が楽です。
一方、ワイヤーやブラケットの着け心地や見た目だけでなく、食事や歯磨きなど日常生活に影響があるため、慣れないうちは不便に感じることもあります。
歯を整える効果が高い反面、痛みを伴うことがあります。
痛みが耐えられない場合でも、適切な対処法が存在するので、我慢せず歯科医師に相談してください。
歯科矯正は、自分に向いている治療法を選ぶことが大切です。
それは歯並びの状態はもちろん、自分の性格や希望も含めて向き不向きがあります。目的はキレイな歯並びを手に入れることですので、しっかりと検討することが大切です。
矯正治療の際は、矯正歯科治療の無料カウンセリングで、自分に向いている治療方法を相談しましょう。
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「通いやすさ,便利さ」の3つの柱を軸として、
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また、治療は天然歯にこだわり、できるかぎり患者様ご自身の歯を残すために治療努力をします。