クリアコレクト
クリアコレクトは、2006年にアメリカのクリアコレクト社が開発した着脱可能な透明のマウスピースを歯に装着し、歯並びを治すマウスピース矯正です。
インビザラインとともに近年増えつつあるクリアコレクトについて解説します。
クリアコレクトとは
画像出典元：【公式】クリアコレクト
クリアコレクトは、アメリカで開発されたマウスピース矯正装置です。
歯科インプラントで有名なストローマンが提携しており、実績があるマウスピース矯正装置です。インビザラインに次ぐシェアを誇るようになりました。
クリアコレクトは、日本ではまだインビザラインほど普及していませんが近年では増えつつあります。
クリアコレクトのマウスピースは、クリアクウォーツという素材を使用しています。
この素材は、3層構造で、薄くてしなやかでありながら、強い矯正力を発揮することが特徴です。
クリアコレクトの費用
クリアコレクトの値段は、提供するクリニックにより異なります。
あくまでも目安になりますが、15万〜70万円程度で提供しているクリニックが多いです。
他のマウスピース矯正との違い
マウスピース矯正はクリアコレクトの他にも、たくさんの治療方法があります。
細かい治療の流れはそれぞれ異なりますが、主に治療計画の立て方などが異なります。
他のブランドのマウスピース矯正と比較してみていきましょう。
| マウスピース矯正の種類 | クリアコレクト | インビザライン | 一般的なマウスピース矯正 |
|---|---|---|---|
| 開始年齢 | 公式記載なし | ◎小学校低学年 | ○永久歯列が生えそろったら |
| 治療範囲 | ◎前歯から奥歯まで動かすことができ、重度の症例にも対応可能 | ◎前歯のみ、または奥歯を含む全体治療が可能 | ○装置によって治療範囲が異なる |
| 適応症例 | ◎交叉咬合、切端咬合、上顎前突(出っ歯)、叢生、空隙歯列、開咬、正中線のずれ、過蓋咬合などの症状 | ◎重度の出っ歯、受け口、すきっ歯、八重歯、叢生(ガタガタの歯)、不正咬合、後戻り、抜歯を伴う症例 | ○装置によって適応症例の範囲が異なる |
| 噛み合わせ | △噛み合わせを変えない部分矯正を対象 | ◎噛み合わせの改善が可能 | ◎噛み合わせの改善が可能 |
| 来院頻度 | ◎2週間から2ヶ月 | ◎スタートは1ヶ月後 その後は、1～3ヶ月に1回程度 | ×2週間に1回～1か月1回 |
| 歯型取り | ◎印象剤（ピンク色のグニグニした素材）を用いず、3Dスキャナーでデータを取得 | ◎状況に応じて、スキャン（型取り） | ×印象材で2週間～1ヵ月 型取りが必要 |
| 見た目 | ◎目立たない | ◎目立たない | ◎目立たない |
| 痛みの少なさ | ◎痛みは少ない | ◎痛みは少ない | ◎痛みは少ない |
| 後戻り | ○後戻りの可能性は少ない | ○後戻りの可能性は少ない | 〇後戻りの可能性は少ない |
| 費用 | 60~70万円 | 1,210,000円（税込） | 治療が終わるまで総額が分からない |
クリアコレクトのメリット・デメリット
「矯正装置が目立ちにくい」「痛みが少ない」といったマウスピース矯正のメリットに加え、クリアコレクトならではのメリットがあります。
同時にデメリットもありますので、あわせて紹介します。
クリアコレクトのメリット
クリアコレクトのメリットは以下のような点にあります。
メリット
- 目立ちにくい
- 痛みが少ない
- アレルギーのリスクが低い
目立ちにくい
もともと目立ちにくいマウスピース矯正装置ですが、クリアコレクトのマウスピースはさらに目立ちにくいことが特徴です。
- ほかのマウスピース矯正のマウスピースよりも薄い
- 表面の加工により光沢が出にくく自然に見える
- マウスピース自体の矯正力が優れるためアタッチメントが少なくて済む
痛みが少ない
クリアコレクトは、痛みや違和感が少ない点もメリットです。
クリアコレクト社が提供しているClear Pilotは治療前から治療途中、治療後までの歯並びをシミュレーションできます。
シミュレーションを用いて少しづつ歯を動かすシステムでは、歯に強すぎる力がかかることがないため、特に痛みが少ないです。
またクリアコレクトのマウスピースは他のマウスピースと比較して、装着した際の異物感も比較的少ないため、快適な装着感であることも評判です。
アレルギーのリスクが低い
クリアコレクトのマウスピースは、ポリウレタン素材で金属は一切使用しません。
金属アレルギーの心配をせずに矯正治療を受けられます。
ただし、顎間ゴムを使用する場合、ゴムをかけるための金属製ボタンを使用することがあります。
クリアコレクトのデメリット
クリアコレクトは、以下のようなデメリットが挙げられます。
デメリット
- 使用ルールの遵守が必要
- 歯を動かせる範囲に限りがある
使用ルールの遵守が必要
マウスピースの装着時間を守るなどの自己管理はとても重要です。
クリアコレクトのマウスピースの装着時間は1日22時間以上です。決められた装着時間を守らなければ矯正の効果がしっかりと得られません。
また、2週間ごとに新しいマウスピースに交換するために通院する、食事のときはマウスピースをはずしてきちんとケアをするといった、使用上のルールは必ず守らなければなりません。
歯を動かせる範囲に限りがある
クリアコレクトは適応症例に限りがあります。
前歯だけでは歯並びが整えられない方で、噛み合わせは変える必要がない方を対象としているため、全体の歯並びや噛み合わせを整える必要がある症例では不向きです。
クリアコレクトの流れと期間
画像出典元：【公式】クリアコレクト
クリアコレクトの特徴として、3Dシミュレーションによる治療計画を治療の前に確認することができます。
3Dシミュレーションでは、予想される治療期間、歯の動きや変化なども確認できます。
クリアコレクトの治療のどのタイミングでシミュレーションが作られるのか、クリアコレクトの治療の流れについて解説します。
初回相談
クリニックでカウンセリングを受けます。
マウスピース矯正について、現状の歯並びの治療が可能かどうか、治療費用、支払い方法など、気になることや悩みなどを医師に伝えてください。
精密検査と治療計画
レントゲン撮影や、顔や口の中の写真撮影などの精密検査を行い、精密検査をもとに治療計画を作成します。
後日、精密検査をもとに作成された3Dシミュレーションの治療計画を、医師と一緒に確認します。
マウスピースの作製
治療計画に沿って、自分専用のマウスピースの製造が開始されます。
医師が発注し、製造依頼から約3〜4週間程度で専用のマウスピースがクリニックに届きます。
マウスピース矯正の開始と調整
クリニックで専用マウスピースを受け取ります。その際、装着と取り外し方、その他注意事項についての説明を受けます。
マウスピースの装着をスタートしたら、経過観察のために定期的に通院します。
通院頻度はクリニックや症例により異なりますが、通常2週間〜1ヶ月に1回ペースです。矯正治療の進捗チェックと口の中の状態を確認します。
保定期間
治療が完了した後は歯の後戻り防止のため、「リテーナー（保定装置）」を一定期間装着します。
リテーナーの装着時間は症例によって異なりますので、医師の指示に従いましょう
クリアコレクトで失敗しないための注意点
画像出典元：【公式】クリアコレクト
クリアコレクトは、ルールや注意点を守ることで効果的な治療が期待できます。
マウスピース着用中は、特に食事に注意が必要です。クリアコレクト矯正中の日常生活での注意点を説明します。
矯正器具を装着しているとき
マウスピース矯正中、矯正具を装着している間は装具の損傷を避けるために気を付けるべき点があります。
注意点
- 口にできるのは水・白湯・炭酸水
- 運動に制限はないが食いしばるときは要注意
運動に関する制限はありませんが、強く食いしばるとマウスピースが破損する可能性があります。クリアコレクトはほかと比べて薄いという特徴があるため、破損には充分に注意してください。
矯正期間中の食事
マウスピースは、食事を摂るときには外します。マウスピースを外してしまえば基本的に何でも食べられます。
ただし、新しいマウスピースに交換してから2～3日は、咀嚼時に痛みを感じる可能性があります。この時期は硬いものを避けるようにしましょう。
また、間食が多い場合も注意が必要です。マウスピースを外している時間が長くなると、期待していた治療の効果が得られなくなります。
間食の際は時間に注意するようにしてください。
保定期間
クリアコレクト矯正完了後は保定期間が必要です。矯正後の歯は元の状態に戻ろうとするため、放置すると「後戻り」してしまう可能性があります。
「リテーナー」という保定装置をつけて後戻りを防ぎましょう。
保定には矯正期間と同等の時間が必要です。はじめは1日22時間から少しずつ装着時間を減らし、最終段階では就寝時のみの装着になっていきます。
クリアコレクトのメンテナンス方法
クリアコレクトは、マウスピースを装着することで歯を動かす効果を得る矯正方法です。
1日のうちの大半はマウスピースを口の中に入れている状態となります。
日々のマウスピースのお手入れを怠ってしまうと細菌が繁殖し、着色や悪臭の原因となるだけではなく、虫歯や歯周病になってしまい、治療期間の長期化にもつながってしまいます。
歯科矯正の効果を高め、はやく矯正を終えるためにも、マウスピースのケアは重要です。
洗浄方法
マウスピースの洗浄手順は以下の2つだけです。
- 水道水で優しく洗う
- 専用の洗浄剤を使って除菌する
口から外したら流水で汚れを洗い流し、指で擦り洗いをします。
がんこな汚れがある場合は、やわらかい歯ブラシを使ってください。
このとき、マウスピースに傷が付かないように注意しましょう。
マウスピース用の洗浄液は、クリニックで購入できるほか、市販の洗浄剤も使用できます。
ただし、入れ歯用のものなども販売されているため、用途に合わないものは使用しないように注意してください。
マウスピース洗浄時は以下のように点に注意しましょう。
- 熱いお湯（60度以上）は使用しない
- 歯ブラシを使う場合は毛が柔らかいタイプを選ぶ
- 研磨剤入りの歯磨き粉は使用しない
- つけ置きタイプの洗浄剤を使用する場合は浸す時間を守る
- なるべく使用するたびに毎回洗浄することが理想だが、最低一日一回は良く洗う
保管方法
マウスピースは適切に保管する必要があります。理由は以下のような点があげられます。
- 紛失を防止するため
- 破損や変形を防止するため
- 虫歯や歯周病リスクを軽減するため
- 病気や口臭を予防するため
マウスピースには専用のケースが付属しています。マウスピースを外すときは必ずケースに収納しておきましょう。
外食時にテーブルに置いておくと、誤って食器と一緒に下げられてしまうこともあります。紛失や破損・変形防止のためにケースへの収納を徹底しましょう。
また、ケースは基本的に携帯するようにすると、急な用事の際にも安心です。
まとめ
画像出典元：【公式】クリアコレクト
マウスピース矯正のクリアコレクトについて、さまざまな点からメリット・デメリットを含め解説してきました。
クリアコレクトを含めて、マウスピース矯正では自己管理が必要です。
毎日22時間以上装着し、歯医者に通ってスケジュール通りに交換する、毎日のお手入れを徹底するといったこまめなケアができる人がクリアコレクトの歯科矯正に向いていると言えます。
ただし、クリアコレクトで矯正ができるかどうかは歯並びの状態によって決まります。まずは気軽な気持ちで、あなたの歯並びの乱れがクリアコレクトで治せるかどうか、クリニックで診てもらいましょう。
歯科矯正は、自分に向いている治療法を選ぶことが大切です。それは歯並びの状態はもちろん、自分の性格や希望も含めて向き不向きがあります。
目的はキレイな歯並びを手に入れることですので、しっかりと検討することが大切です。
京急・旗の台駅の「旗の台駅前KT歯科・矯正歯科クリニック」では、幅広い歯のお悩みを解決すべく、各分野に強い担当ドクターがチームとなり、患者様ひとりひとりの状況に合わせた治療を提案させていただきます。
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また、治療は天然歯にこだわり、できるかぎり患者様ご自身の歯を残すために治療努力をします。
サイト監修者について
旗の台駅前KT歯科・矯正歯科クリニック
院長 中島 優
東京歯科大学を卒業後、大阪府内の複数の歯科クリニックにて歯周病治療を基盤とした総合歯科治療に取り組んできました。
2024年8月から旗の台駅前KT歯科・矯正歯科クリニックにて院長に就任し、一般歯科だけではなく、矯正歯科治療やインプランドなどの高度な技術を要する幅広い治療にも対応しております。通いやすい歯科医院であり、話しやすい歯科医師であることを心掛けております。
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ワイヤー矯正とは、ブラケットと呼ばれる器具を歯の表側もしくは裏側（舌側）に装着し、器具間にワイヤーを通して、一定の力を歯を動かしたい方向へ加えることによって徐々に歯を移動させて歯並びを改善する矯正治療法になります。
